第83章

母は別に変だとは思わず、逆に微笑みを浮かべた。

「蓮くん、来てくれたのね」

私はきょとんとして母を見た。その口ぶりは、西田蓮と初対面という感じではない。でも、二人はいつ知り合ったの? 私の知らない間に?

「母さん、彼と知り合いなの?」

母は笑って私を見た。

「知らないわけないでしょ? あんた、高校の時によく蓮くんと付き合ってたじゃない」

私は自分の唾で危うく窒息しそうになった。それはもう過去の話だし、母もあまりにストレートすぎる。

「母さん、何言ってんのよ!」

見れば、西田蓮もまさか母がそんなことを言うとは思わなかったらしく、一瞬その場に立ち尽くしている。

母はさらに彼を手...

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