第85章

母に手紙のことを話すと、彼女はわずかに驚いたような表情を見せた。

「お父さん、入院していた時に確かに手紙を書いていたのよ。でも、どこにしまったのか頑として教えてくれなくて……まさかあの写真の裏に隠していたなんてね」

私は深く頷いた。

「きっと、お父さんは何かの巡り合わせで、このタイミングで私に見つけさせたかったんだと思う」

「そういえばお母さん、お父さんが手紙の中で会社の株式について触れてたんだけど、何か知ってる?」

母は頷く。「ええ、知ってるわ」

「お父さん、ずっと前からあなたのために用意していたのよ」

母は父が使っていた書斎机へと歩み寄り、中から一通の『株式譲渡契約書』を取...

ログインして続きを読む