第96章

私は頷いて言った。

「じゃあ、ここでゆっくりしてて。私、少し部屋で休むわ。ちょっと疲れちゃった」

部屋に戻り、柔らかなベッドに身を沈める。瞼を閉じた途端、泥のように深い眠りに落ちてしまった。

まさか、また山本美希の夢を見るなんて。

今回は彼女が飛び降りる瞬間ではない。その直前だ。彼女は屋上の縁に立ち、振り返って私にふわりと微笑んだ。

その光景に背筋が凍りつき、私は悲鳴を上げながら跳ね起きた。

その時、北川歩美が駆け寄ってきた。

「北村さん、どうされたんですか?」

私は力なく首を振った。

「……ううん、悪い夢を見ただけ」

北川歩美がそばにいてくれるだけで、確かにいくらか安心...

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