第103章 もう一杯

山﨑蓮は床に落ちたスマホを見下ろし、怒りで笑いが漏れた。

「丸山虎太郎!」

「山﨑社長!」

丸山虎太郎が慌ててドアを開けて入ってくる。山﨑蓮の顔色の悪さに気づくと、余計なことは言えずに口をつぐんだ。

「全員に伝えろ。今日から、谷口美桜を雇う会社があれば――それは俺、山﨑蓮に喧嘩を売ったってことだ」

氷みたいに冷えた声。視線は火花が散りそうだった。

丸山虎太郎は一瞬固まり、すぐに言葉を探す。

「山﨑社長、以前ご署名された合意書があります。谷口さんの今後の就業に影響を与えない、と……」

「合意書?」

山﨑蓮は鼻で笑った。

「言葉だけ流せ。あとは向こうが察する」

まだ何か言い...

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