第105章 自分で自分を養う

バーの個室は、いつにも増して熱気に包まれていた。

下山柚奈が山﨑蓮の婚約者だとしても、彼はこういうパーティーに彼女を連れてくる男じゃない。

それが今夜は、山﨑蓮が当たり前みたいに柚奈を伴って現れたものだから、周囲は一斉に色めき立つ。――二人の関係が、もう一段進んだのだろう、と。

三浦剣太が何度か探りを入れても、山﨑蓮は答えない。グラスを傾けるばかりだ。

剣太もさすがに言葉を失う。

そのうえ隣には、柔らかな眼差しの奥に計算を潜ませた下山柚奈。

剣太は内心で舌打ちした。――山﨑蓮と谷口美桜は、もう終わりだな。

そのとき、下山柚奈のスマホが震えた。画面を見た彼女はわずかに眉を寄せ、す...

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