第111章 彼女の違法行為の証拠をつかむ

山﨑蓮は、自分がどうやってオークションハウスを出たのか覚えていなかった。ただ、胸の奥が重く詰まって、息がしづらい。

車のドアがバタンと閉まった瞬間、彼はハンドルを思いきり叩きつけた。

助手席の下山柚奈は、怖くて言葉が出ない。

――蓮はまだ、論文の件を知らないはず。

柚奈は何度も頭の中で組み立て直す。先に手を打つべきか。谷口美桜に「濡れ衣を着せられた」と言ってしまうべきか。

そのとき、山﨑蓮のスマホが震えた。丸山虎太郎からリンクが十数件、立て続けに送られてくる。

【『自然科学』公式サイトが弁護士通知書を出しました。下山部長を提訴するそうです。谷口さん側も国内での訴訟資料を提出済みで...

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