第112章 再び拘留される

午前5時。法務部長の菊地陽が十数冊の書類を抱え、山﨑蓮のオフィスへ足を踏み入れた。

彼は息を殺すようにして書類を差し出す。

「こちらはすべて谷口さんが担当していた案件です。……一点だけ、少し引っかかるところが」

徹夜で関係者をかき集め、洗い直した。それでも見つかったのは、穴と呼ぶには小さすぎる綻びだけ。

谷口美桜は慎重すぎるほど慎重だ。ほとんどの書類に不備はなく、無理やり拾い上げたこの数件も、違法と断じられる類ではない。

山﨑蓮はぱらぱらと目を通し、顔色ひとつ変えずに言った。

「一番、使えるのはどれだ」

菊地陽が一通を前へ押し出す。

「これです。ただ……2年前の件になります」...

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