第116章 引き続き調べる

山﨑蓮が眉をひそめたのを見て、井上恵は腹の底から苛立ちがこみ上げた。

「そもそも、あの子に山﨑グループの研究室を使わせる許可を出したのは私よ。あなたにも言ったでしょう。覚えてないの?」

山﨑蓮は言葉を失った。

言った? そんな話、聞いた記憶がない。

井上恵の声が、すっと冷える。

「あなた、あのときヨーロッパへ下山柚奈を追いかけるのに必死だったじゃない。樹と喧嘩して家を飛び出したって、あなたが自分から『探しに行く』って言い出して……私が何を言っても、耳に入ってなかった。そうでしょう?」

山﨑蓮は拳を握り締めた。

断片が、割れたガラスみたいに脳裏へ突き刺さる。空港のアナウンス。泣き...

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