第122章 新たな始まり

川原遥香が病室へ戻ると、谷口美桜はまだ書類に目を落としていた。

資料を一つひとつ丁寧に照合し、赤ペンで追記すべき箇所に印をつけている。

遥香はぷくっと頬を膨らませ、美桜の隣にどさっと腰を下ろした。

「ほんっと、あのクズ男さ……頭おかしいでしょ。どのツラ下げて来たわけ?」

「相手にするだけ無駄でしょ」

美桜は顔も上げない。

「え、反応それだけ?」

遥香は疑わしそうに覗き込む。

美桜はペンを置いた。

「じゃあ、どんな反応が欲しいの?」

「怒るとか! 罵るとか! 殴りたくなるとか!」

遥香は拳をぶんぶん振り回し、すぐに思い出したように言い足す。

「そうだ、さっきあいつがさ。...

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