第126章 私に関わらないで

翌日の午前、高山浩志は約束どおり研究室へ姿を見せた。

白髪混じりの頭に、顔色は悪くない。入るなり黙ってデータに目を走らせる。

谷口美桜は終始そばに付き添い、現在の実験の進捗と、詰まっている箇所を一つずつ噛み砕いて説明した。

聞き終えるなり、高山浩志は即座にいくつか問題点を指摘する。

「谷口社長。君のこの6セット、うち2セットは繰り返し実験だ。どうしても誤差が出る」

「それと、使ってる装置が初期設定の機種と別だね。ここ――パラメータを3.7にして、やり直してみなさい」

谷口美桜は一瞬、言葉を失った。

これまでの実験では、最初に決めた条件をそのまま使い続けていた。装置が変われば、測...

ログインして続きを読む