第128章 開業記念式典

「分かってる」

山﨑蓮は静かにうなずいた。喉が少し枯れている。

「悪いが、この書類を上に届けてくれ。賠償の合意書だ。彼女がサインするかどうかは構わない。目を通してもらえれば、それでいい」

安田碧は彼を見つめ、ためらった末に書類を受け取った。

「……では、少々お待ちください」

五分後。安田碧は書類を手に戻ってきた。

「谷口社長からの伝言です。賠償はいらない。ただ、二度と関わらないでほしい、と」

安田碧が差し出した書類を、山﨑蓮は受け取らなかった。

エレベーターの方へ視線を投げる。喉仏が、ごくりと上下した。

予想していた結末だ。

それでも――受け入れがたい。

そんな彼を見て...

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