第129章 放り出す

「皆さま、本日は午前中からお集まりいただき、誠にありがとうございます。『オーロラ・バイオ』開業記念セレモニーを、ただいまより始めさせていただきます」

谷口美桜の声が、会場のスピーカーを通して隅々まで行き渡る。落ち着いていて、それでいて芯のある声だった。

「『オーロラ』は、朝の光です。闇を照らす、はじまりの光」

「私たちの会社も、朝の陽射しのように、見落とされてきた研究の片隅を照らしたい。本当に価値のある研究が、きちんと見つけてもらえるように」

ゆっくりと会場を見渡し、言葉をいったん切る。

「私はこれまで、いろいろなことを経験してきました。誤解され、濡れ衣を着せられ、押さえつけられて...

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