第135章 おじさん

前田梅子は山﨑蓮の手を引き、児童養護施設の中へ連れていった。足取りはゆっくりなのに、声だけはやけに弾んでいて、昔話を途切れさせない。

「美桜がね、あなたは立場が特殊だから、結婚式は大げさにできないって言ってたわ。うん、分かってる」

「仕事が忙しいなら無理して来なくていいのに。あんな大きな会社、あなたが養ってる人がどれだけいるの。大変でしょう」

「それに……相変わらず痩せてる。美桜、料理を覚えたって言ってたけど、あなたに作ってあげてないの?」

山﨑蓮は拳をぎゅっと握りしめた。目の奥が、つんと熱い。

「……俺たちが結婚したこと、ご存じだったんですか」

「もちろんよ。結婚証明書まで持っ...

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