第144章 一人も残さず

翌日、川原遥香が調査結果を谷口美桜の前に置いたとき、顔色はひどく険しかった。

「裕隆グループ、やっぱり黒だよ。あそこだけじゃない。昨日、平井奈菜が名前を出してた新会社、いくつか洗ったけど……全部ペーパーカンパニー」

書類をつい、と押し出す。

「ほら。登記の手続き、全部丸山虎太郎がやってる」

谷口美桜は書類に目を落としたまま、何も言わなかった。――そうだろうと思っていた。

「でもさ、うち、そのうち3社とはもう契約結んでる。違約金、えげつないよ」

川原遥香は肩を落とす。

「今ここで手を切ったら、資金繰りが詰む」

これが山﨑蓮の仕業だと思うと、正直、感心すらしてしまう。

今までの...

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