第145章 彼のことが好きになったことは一度もない

三日後――前田梅子が目を覚ました。

小山家の特効薬が、ようやく彼女を昏睡の底から引き戻したのだ。

この三日間、谷口美桜はほとんど眠っていない。ヘルパーが手伝ってくれても、どうしても気が抜けなかった。

小山海斗が毎日顔を出し、ベッドに横たわる前田梅子を一緒に見守ってくれる。そのときだけ、美桜はようやく短い休息を取れた。

前田梅子がまぶたを開いた瞬間、美桜の頬を涙が伝った。

小山海斗がすぐに身を乗り出し、状態を確認する。

大きな異常がないと分かると、彼もようやく息を吐いた。

「美桜、院長のそばにいて。俺は今の状況を報告してくる」

「ジョンソン教授たちがビデオ会議で待ってる。先に行...

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