第148章 火災

午前2時。郊外の児童養護施設は、息をひそめたように静まり返っていた。

山﨑蓮の車が門の前で止まり、エンジンが落ちる。彼は運転席に座ったまま、錆びついた鉄門を見つめ、ゆっくりと息を吸い込んだ。

谷口美桜が知ったら、きっと怒る。……それでも、やるしかない。

大野文也のやり口は、もう十分に見せつけられた。あいつらの手が及ぶ前に、谷口美桜だけは守らなければならない。

数秒、考えをまとめてから、山﨑蓮は車を降りた。

当直室には四十代の職員が一人。彼が入ってくるなり、目を丸くする。

「山﨑社長……こんな時間に、どうされたんですか」

前に山﨑蓮が前田梅子を病院へ送ったとき、松浦は付き添ってい...

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