第149章 大野家が興味を持つ

山﨑蓮は、たしかに忙しかった。

児童養護施設の子どもたちは火事で怪我こそしなかったものの、もともと体が弱い子が多い。軽い風邪や発熱から、先天性の疾患まで――誰ひとり「完全に健康」と言い切れる子はいない。

山﨑家が出資している病院に治療と病室を手配し、同時に施設の再建に人員を回す。息をつく暇もない。

本来なら、彼が自分の手でやる必要はなかった。ひと言命じれば、部下が勝手に整えてくれる。

それでも山﨑蓮は動いた。――それが、谷口美桜のために自分ができることだと思ったからだ。

美桜は今、ただでさえ手いっぱいだ。施設のことまで背負わせたら、体がもたない。

それに何より、彼女が自分の身の上...

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