第151章 彼を探しに来たのではない

丸山虎太郎が交通課に駆け込むと、山﨑蓮は冷え切った顔でオフィスの椅子に沈んでいた。

山﨑蓮にとって、今日はとことんツイていない日だった。

今日は谷口美桜の打ち上げだと分かっていた。会議が終わるや否や、ホテルへ急いだ。招待はされていない。それでも――遠くからでいい、一目だけ見たかった。

彼女にとって、今日は特別だ。そんな大事な日を、見逃したくなかった。

谷口美桜がドレスを着た姿を、彼はもう長いこと見ていない。

別荘のクロークルームには、彼女が以前着ていたドレスがまだいくつも残っている。持ち出しもしない。何の言葉もないまま。

山﨑蓮がかつて言ったのだ。あれは仕事に必要な「仕事着」だ、...

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