第153章 大野直哉

川原遥香は谷口美桜をじっと見つめ、それからふっと笑った。

「いいよ。あんた、だんだん“大物”の覚悟が出てきたじゃん。じゃあ全部、あんたの言うとおりにする」

そのとき処置室の扉が開き、小山海斗が車椅子に乗せられたまま押し出されてきた。

「軽い脳震盪です。入院は2日で大丈夫。ほかは問題ありません」

医師が自分の頭を指し示す。

「傷口ももう一度きれいに処置しました。以上です」

それを聞いた谷口美桜はようやく息を吐き、慌てて車椅子の取っ手を握った。

「ほら、言っただろ。俺、平気だって」

小山海斗は笑って顔を上げる。

だが谷口美桜はむっとしたまま言い返す。

「平気かどうかは、あなた...

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