第163章 手伝ってやる?

大野家の二階にある書斎。

大野直哉は窓際に車椅子を寄せ、沈んだ目で夜の闇を眺めていた。

谷口美桜からのメッセージは、もう一度読み返した。ほとんどの情報が噛み合っている。

――なら、彼女が「あの子」なのか。

ノックもそこそこに、扉が開く。

「父さん、まだ休まないの?」

大野文也だった。

「どうした」

直哉は視線を窓から引き剥がす。

「ちょっと聞きたいことがある」

文也は窓辺まで来ると、露骨に不満そうな顔で父を見下ろした。

「なんでオーロラ・バイオと組むんだよ。業界じゃもう噂になってる。あんな小さな会社、薬を1本出しただけだろ。そこまで手間かける価値あるのか?」

「彼女の...

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