第167章 まったく意味がない

車のヘッドライトが、顔面蒼白の山﨑蓮を照らし出した。

さっき血をひと口、吐いたばかりだ。量は大したことない。それでも、やけにみじめに見える。

痛みなんて感じていないみたいに、彼は口を開き、短く吐き捨てた。

「……行け」

谷口美桜は本気で、エンジンをかけてそのまま突っ切りたかった。

けれど、鉄パイプを握り、数人を相手に体を震わせながら踏ん張っている山本由樹が目に入る。美桜は奥歯を噛み、ドアを開けて車を降りた。

山﨑蓮がすぐに身を起こし、ふらつきながらも彼女の前へ出る。背中で庇うように立ち塞がった。

「誰が出てこいって言った。行けって言っただろ」

「山本さんが送ってくれたの。放っ...

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