第176章 お祝いしよう

「くそっ……くそったれ!」

「平井学の間抜けが……役立たずか?」

大野文也はオフィスで、手に届くものを片っ端から叩き壊した。ガラスが割れる音、書類が散る音。周囲の人間は息を殺し、誰ひとり口を開けない。

見かねたのか、ようやく一人が恐る恐る前に出た。

「大野社長……こちらも、山本由樹が介入してくるとは……」

「今、平井の奴がどこへ連れていかれたのかも分かりません。引き続き探しますか?」

「出生証明書は?」大野文也が氷みたいな声で訊く。

屈強な男が視線を落とした。

「申し訳ありません。山本由樹に持っていかれました」

大野文也の拳がぎり、と鳴った。今すぐこの場の全員を殴り飛ばした...

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