第184章 おじいちゃんに会う

大野直哉は彼女の手を握りしめていた。骨ばったその手は、痩せているのに不思議と温かい。

「美桜……お前のご両親はいなくなっちまった。でも、俺がいる。……それに、おじいちゃんもいる」

彼はぐいっと目元をこすり、声を詰まらせる。

「ひとつ、頼みがあるんだ」

谷口美桜は小さくうなずいた。

「……何?」

「おじいちゃんが、いま雲海市にいる」

大野直哉の声が硬くなる。

「脳卒中で片麻痺になってな。療養院で寝たきりだ。ずっと具合がよくない」

「この何年も……あいつは、いなくなった孫娘のことばかり口にしてた」

「意識がはっきりしてるときも、混濁してるときもだ。……お前に会いたい、顔を見た...

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