第217章 いつかはチャンスがある

深夜。ようやくその日の仕事が片づき、谷口美桜はやっと山﨑蓮から届いていた内容に目を通した。

田村忠の息子に関する情報のほか、大野直哉がここ数年で関わった可能性のある、犯罪まがいの証拠がいくつか添えられている。

……正直に言って、大野直哉という男は異様なほど用心深い。

二十数年前に田村忠という「取りこぼし」を残した以外、これといった弱みが見当たらない。

やっていることも、規定を無視した昇進だとか、社内の経理システムを勝手に差し替えただとか、悪質ではあるが「不適切」で片づけられかねないものばかりだ。

そしてメールの最後に、短い一文。

【田村忠は翻す】

山﨑蓮がよく使う、切れ味のいい...

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