第38章 再び始める

病院の向かいにあるレストラン。

葉山賢人と谷口美桜は、窓際の人目につきにくい席を選んだ。

さっき病院で、彼女が魂の抜けたみたいに座り込んでいるのを見ても、葉山は余計なことを聞かなかった。ただ一言。

「何か食べないと」

それだけ言って、強引にここへ連れてきたのだ。

注文を終えると、葉山はふと視線を落とした。

「手……どうしてそんなにひどい傷になった」

谷口美桜は答えない。窓の外をぼんやり見つめたまま、胸の奥に沈殿した疲労だけが重くのしかかる。

葉山もそれ以上は追わず、注いだぬるま湯をそっと彼女の前へ滑らせた。

ほどなくして料理が運ばれてくる。

蒸しパン、白玉ぜんざい……どれ...

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