第39章 連絡を断つ

レストランを出るころには、夜もすっかり更けていた。

葉山賢人は通りまで彼女を送り、タクシーを拾ってやると、谷口美桜にやわらかな声で言った。

「帰ったらちゃんと休め。何かあったら、いつでも俺に電話してこい」

行き届いた気遣い。押しつけがましさのない優しさ。

そのせいか、谷口美桜は少しだけ寒さが和らいだような気がした。

車がゆっくりと走り出す。

彼女はシートに身を預け、そのまま目を閉じた。

疲れていた。心も体も、もう限界だった。

それでも不思議と気は軽い。ようやく、ここから離れられる――そう思えたから。

だがタクシーが角を曲がろうとした、その瞬間。

1台の車がいきなり加速し、...

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