第54章 お前が毒を盛ったのか

谷口美桜の容体は、決して良いとは言えなかった。手術を受けたばかりなのだ。少なくとも3日は入院して安静にする必要がある。

まさか翌日、丸山虎太郎が見舞いに来るとは思ってもみなかった。

「谷口さん、大丈夫ですか。山﨑社長が、様子を見てこいって」

「私が死んでないか、確認しに来たの?」

谷口美桜は冷えきった目で彼を見た。そこには、温度らしい温度がひとかけらもない。

丸山虎太郎は気まずそうに咳払いした。

「いや、そうじゃなくて……山﨑社長、今日はお忙しいんです。でも、谷口さんのことは気にかけていて」

谷口美桜は目を閉じた。

いまはもう、山﨑蓮の名前を聞くだけで吐き気がする。

その様...

ログインして続きを読む