第94章 証拠の連鎖

丸山虎太郎が社長室に入ろうとした、その瞬間だった。下山柚奈がちょうど中から出てくる。

彼女は虎太郎の手元の書類を見て、だいたい察したようだった。

「蓮に会いに来たの?」

すっと身をずらし、通路を塞ぐ。

「午後は外部の接待よ。今はいない」

丸山虎太郎は書類袋を握りしめた。

「なら、追いかけます。下山部長、あなたがネットに出した“証拠”はスキャンデータです。原本じゃない。もし露見したら――」

「どうして露見するの?」

下山柚奈は笑って、首を小さく振った。

「特許の取り消し手続きはもう動いてる。今さら“証拠に問題がある”なんて言い出して、会社の信用を潰したいの?」

虎太郎は唇を...

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