第1章

部屋の中は薄暗く、アルコールの強い匂いが漂っていた。温水希はドアを押し開け、かすかに聞こえる男の荒い息遣いに耳を澄ませた。

彼女は手探りでベッドのそばに近づいたが、言葉を発する間もなく、突然の力に引き倒され、ベッドに倒れ込んだ。

すぐに熱い体が彼女の上に覆いかぶさり、温水希は反射的に叫んだ。「やめて…」

温水希は部屋に入る前に藤原羽から言われたことを思い出し、最終的に目を閉じ、涙と屈辱を隠した。

男は温水希を抱きしめ、彼女の震える体を感じながら低く囁いた。「落ち着いて、怖がらないで。俺が責任を取るから」その言葉と共に、熱いキスが彼女の頬に落ちた。

温水希はこれまで男性とやったことがなく、本能に従って彼に応じるしかなかった。男は半ば酔った状態で、自分の硬いものを取り出し、温水希の穴の中に激しく挿入した。温水希は痛みに耐えながら男の腕を掴み、男は一瞬止まって彼女が慣れるのを待った後、再び動き始めた。彼の激しい動きに合わせて、温水希の胸が揺れ、男は彼女の胸に顔を埋めて吸い始めた。温水希は苦しげな声を漏らし、全身が紅潮してベッドに倒れ込んだまま、男の動きに身を任せた。

どれくらいの時間が経ったのか、男の低い呻き声と共に、温水希は体内に熱いものが放たれるのを感じた。男は全身の力が抜けたように彼女の上に倒れ込み、そのまま眠りに落ちた。温水希も疲れ果てていたが、力を振り絞ってゆっくりと起き上がり、ベッドに散らばった服を拾い上げて身に着けた。彼女はベッドに落ちていたものを急いでバッグに詰め込んだが、透明な玉のペンダントを無意識に拾ってしまったことには気づかなかった。

彼女は歯を食いしばり、ベッドで眠る男を一瞥した。薄い布団が彼の腰にかかり、引き締まった筋肉と完璧な横顔が露わになっていた。

温水希は長居することなく、急いで部屋を出た。彼女は藤原家のメイドであり、藤原家のお嬢様と似ているため、藤原羽はいつも彼女を辱めようとしていた。今回も、他の男と寝るように命じられたのだ。病院にいる母親と未払いの医療費のため、彼女は屈辱に耐えた。

廊下の端で、精巧に着飾った藤原羽が待っていた。

「お嬢様、もう終わりました。約束のことは…」温水希は不安げにシャツを掴みながら小声で尋ねた。

藤原羽の嫌悪の視線が温水希の白い首筋に落ちた。そこには艶めかしい痕が残っており、彼女は歯ぎしりした。本来ならあの男とやるのは自分だったが、彼女はすでに処女ではなかったため、温水希に譲ることになったのだ。

藤原羽はバッグからカードを取り出し、嫌悪感を込めて彼女に投げつけた。「今夜のことが他人に知られたら、絶対に許さないからね!」

温水希はうつむいて頷いた。こんなことは誰にも知られたくなかった。

藤原羽は満足げに振り返り、腰を揺らしながら部屋に入っていった。

朝。

高橋寒は目を開け、上半身裸で起き上がった。無造作に乱れた髪が威厳と高貴さを漂わせていた。

彼の彫刻のように整った顔立ちは冷たく、引き締まった胸板からは男性ホルモンが溢れていた。

隣で眠る女性が小さく呻き、彼の視線がそちらに向けられた。

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