第63章

野口良一は美しい田中蝶子を抱きしめながら、心の中で欲望が燃え上がっていた。「蝶子、山本月と温水さんの関係は知ってるだろう?今月は月姉に譲るけど、来月は俺が取り戻してやるよ。蝶子、俺が約束したこと、どれもちゃんと果たしてきたじゃないか」

田中蝶子は甘えた声で、「野口さん~」

「わかった、わかった、すぐに行くよ」

オフィスの外で、スタッフがドアをノックした。「野口さん、野口さん、成田桐人が今606号室の前にいます。すぐに来てほしいと…」

野口良一は今、他のことに気を取られる余裕はなかった。「待たせておけ!」

窓は半開きで、淡い青色のカーテンが揺れていた。静かな副社長のオフィスには、愛欲...

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