第1章

 四歳のとき、奴らは私の両脚を粉々にした。六歳で左の鼓膜を破られた。七歳で右目を奪われ――「片目が見えないほうが物乞いでも同情を稼げる」と言われた。

 大富豪の両親は十年ものあいだ、私を捜し続けた。ようやく私を連れ帰ったそのとき、私の人生を代わりに生きていた少女が、痣になるほど強く私の手首を掴んだ。

「私のものを奪おうとしたら」彼女は唾を吐くように言い、爪を皮膚に食い込ませる。「残ってる脚もへし折ってやる」

 私は彼女の手元に目を落とした。きれいに整えられた指先。

 やりすぎじゃない?

 私は義足の留め具を外し、両脚ともそのまま床に落とした。空っぽのズボンの裾が、だらりと垂れる。

 母さんと父さんの血の気が、すっと引いた。

 兄のリードが突進してきて耳元に身を屈め、「もう二度とセリーナを怒らせるな」と低く警告した。

 私は無垢な顔で自分の耳を指さし、シャンデリアが揺れるほどの大声で叫んだ。

「ごめんなさーい! 左耳、聞こえませーん! なに言ってるか、わかりませーん!」

 リードは二歩よろけて下がり、私を見つめた。まるで地獄から這い出てきたものを見るみたいに。

 その晩、歓迎の晩餐会が開かれた。招かれた客は二百人。私と家族の「奇跡の再会」を見届けるために集まった連中だ。

 私は母さんが選んだドレスを着せられた。淡い水色の絹、長袖、ハイネック。傷跡はすべて隠れる。セリーナは白を着ていた。もちろん、そうする。

 晩餐の途中、セリーナが立ち上がってスピーチを始めた。震え方まで計算されたような声で。「今夜はレンが帰ってきたことをお祝いする日です。無事でいてくれて、本当に感謝しています。私はずっと……彼女の居場所を守っていただけ。レンが本来いるべき場所に戻ってきたのなら、私は最高の妹になりたいんです」

 割れんばかりの拍手。泣いている人までいた。

 セリーナが両腕を広げて私のほうへ歩いてくる。私は義足で立ち上がり、途中まで出て迎えた。彼女は私を強く抱きしめた。

 その直後、彼女がよろめいた。

 身体を支えるために私の袖を掴み――

 布が裂けた。

 肩から手首まで、一気に。

 部屋から音が消えた。

 火傷。刃物の傷。煙草の跡。白く薄れたものもあれば、まだ生々しい桃色のものもある。無傷の肌なんて、一寸もなかった。

 リードが母さんと父さんを連れてこちらへ向かってきていた。私に食ってかかるつもりだったのだろう。

 二人は、止まった。

 母さんが、これまで聞いたことのない声を漏らした。次の瞬間には、母さんと父さんが震える腕で私を抱きしめていた。

「誰がやったんだ?」父さんの声がひび割れる。「言いなさい。必ず償わせるから」

 セリーナが慌てて後ずさる。「私じゃない! 私のせいにしようなんて――」

「その通り」私は言った。「セリーナじゃない。私を攫った人たちだよ」

 リードが私を睨む。「お前、黙ってやられてたのか?」

「抵抗すると、もっと酷くなる」声の温度を落としたまま答えた。「早いうちに学んだ」

 誰も何も言わなかった。

 客たちはそそくさと帰っていった。母さんと父さんは離れて電話をかけ始め、低く切迫した声で何かを指示している。リードは窓辺に立ち、背中を向けたまま黙っていた。

 私は義足を付け直した。

 セリーナが階段の上に姿を現す。「手伝ってあげる」

「大丈夫」

「遠慮しないで」彼女は降りてきて、私の腕に自分の腕を絡めた。まるで親切を施してやるみたいに。

 階段の下で、彼女の声が落ちる。「哀れっぽく振る舞ったって、何も手に入らないから。あの人たちが愛してるのは私。あなたじゃない」

 私は答えなかった。

「おやすみ」彼女は腕を離した。

 私は一段目に足を乗せた。

 足首に何かが引っかかった。

 身体が前に投げ出される。手すりに手を伸ばし――一瞬だけ掴めた。

 もう一度掴もうとはしなかった。

 私は転がり落ちた。カチ、カチと二つ鋭い音。義足が外れて飛び、片方は壁にぶつかり、片方は玄関ホールの床を転がっていった。

 私は最下段で止まった。

 断端が裂けていた。包帯の下から血が滲み、じわじわと広がる。

 痛かった。

「レン!」母さんの叫びが家の中を切り裂いた。

 駆ける足音。重なる声。

 視界が滲む。最後に見えたのは、階段の上に立つセリーナだった。顔から血の気が引いている。

 それから、何も見えなくなった。

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