第13章 山口夏美が全場を驚かせる

茶番劇だったが、幸いにも彼女の後に続いたコントが実に面白く、観客の注意をそちらに引き戻してくれた。

岡本凜太郎たちはというと、舞台上に誰がいるのかなど全く気にしていなかった。そもそも彼らは出し物を見に来たわけではないのだから。

山口拓海「どうなってんだよ、夏美はまだなのか? 順番どうなってんだ?」

竹中蓮「そうだよな、俺たちは従妹を見たいだけなのに、前置きが長すぎるぜ!」

山田祥生「来た来た、次だ!」

岡本凜太郎は何も言わなかったが、その言葉を聞いて少し身を乗り出した。

一体どんな演奏をするのか、見てやろうじゃないか。あの手は、キーボードを打つのは速いが、ピアノは? ...

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