第14章 焼肉は他人が焼いた方が香ばしい

パーティーが終わると、岡本凜太郎たち四人は山口夏美の後について歩いた。

彼女が中心に立ち、四人の男たちが後方から半円を描くように彼女を取り囲む。まるで花の雌しべを支えているかのようだ。

山口夏美は周囲の視線を浴びるのを満喫していたが、さすがに元芸能界にいた彼女でも少々耐え難いものがあった。

「コホン、もうパーティーは終わったんだから、あなたたちも解散しなさい」

山口拓海が言った。「夏美、腹減ってないか? 兄ちゃんがご馳走してやるよ。何が食いたい?」

山田祥生が続く。「妹が腹ペコかは知らねえが、とにかく兄ちゃんは腹ペコだぜ。お前のパフォーマンスに間に合うように急いでたから、晩...

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