第160章 危険の中の好機

「チャオシャ号」が近づいてきたとき、竹中唯斗と竹中萌香は使用人たちへの説得に追われていた。すでに本家の父とは連絡がついており、まもなく安全な島へ移送するための迎えが来ることを説明していたのだ。地下貯蔵庫で小規模な崩落事故が発生し、幸い怪我人は出なかったものの、恐れをなした誰もが二度と荷物を運び出そうとはしなかった。

 使用人たちは彼らの言葉を信じず、我が身の安全を案じてばかりで仕事にならない。互いに怒鳴り合ったり、家族に電話をかけたりと現場は混乱していた。今日の夕食はすべて竹中萌香の手作りだ。幸い、彼女は幼い頃からキッチンに立つのが好きで、料理の腕前は悪くなかった。

 巨大なクルーズ船「...

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