第24章 どこから来た蛇

北村由紀は匂い袋を受け取ると、肌身離さず身につけた。香料の匂いは徐々に放たれるため、最初は特に異常はなかった。

夕方になり、蚊や虫が増え始めた。しかし、それも普段より少し多い程度。昼間の訓練で大量に汗をかき、その汗臭さと湿気で虫が寄ってきたのだろうと彼女は考えた。シャワーを浴びる際には、念入りに体をこすり、隅々まで洗い流した。

テントに戻ると、山口夏美はすでに横になっていた。

ここ数日の訓練は非常に過酷で、皆シャワーを浴びるとすぐにベッドに倒れ込んで眠るのが常だった。余計なことをする気力など残っていない。

ただ一人、訓練のない中島結子だけが、毎日いざこざを起こそうと画策してい...

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