第242章 邪魔にならないようにね

 竹中萌香は顎を少し上げ、実に自信ありげに笑っていた。勝算はある。そう確信している笑みだ。

 オーナーが問題を読み上げ始めると、彼女は一度伏し目になり、こめかみ近くの髪にそっと触れる。細い指で二度、軽く弾くような仕草。その直後、読み上げられた問題文に耳を澄ませ、眉根を寄せて考え込んだかと思うと、ふっと口元を緩め、迷いなくペン先を走らせた。

 萌香の解答は、決して早くはない。必ず数秒から十数秒ほど考え込み、ときおりオーナーが読み上げた問題文を小声で繰り返したりする。そのせいで提出はたいてい二番目か三番目だったが――毎回きっちり正解を出していた。

 十一問目に入った頃には、解答者は彼女...

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