第256章 投資

 三水真司は声を上げた。

「おや、山口さんにこんなにお綺麗な妹さんがいらっしゃるとは。初耳ですよ」

 山口豪が応じる。

「夏美は我が家の末娘でしてね。両親なんぞは、私よりこの子を可愛がっているくらいですよ」

 三水真司の言葉が、この妹が実の妹なのか、それとも外で作った愛人なのかを探るためのものだと気づいていたからだ。当然、妹が誤解されることなど許せるはずもなく、彼はたった一言で山口夏美の立場を明確にしたのである。

 三水真司の目の色が変わった。山口夏美を見る眼差しに、あからさまな敬意が混じる。山口グループの令嬢。たとえ現時点で実権を握っていなくとも、絶対に敵に回してはいけない相手だ...

ログインして続きを読む