第27章 先に到着する

北村由紀はぱっと目を輝かせた。「本当?山口夏美」

中川美紀も希望を抱き、キラキラした目で山口夏美を見つめた。「本当にできるの?これからはあなたの言うことを全部聞くわ!」

山口夏美は自分より半頭分ほど背の高い少女を見上げて微笑んだ。「そんなに気を遣わなくていいわ」

そして向き直り、「中川美紀、あなたも山の中なら方角を判別できるでしょう?」と尋ねた。

中川美紀は注意深く周囲を見回し、力強く頷いた。

「じゃあ、この二人を連れて、まずはこの地図の最初の部分を進んでくれる?問題ないかしら」

「任務完遂を保証するわ」中川美紀は手のひらを挙げて誓った。「それで、あなたは?」

山口...

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