第283章 交通事故

山口夏美と岡本凜太郎が同時に外へ視線をやると、ちょうど山田祥生がやって来たところだった。夏美が慌てて凜太郎の掌から自分の手を引き抜くと、彼もようやく力を抜いて手を離してくれた。夏美はごく自然な態度で、祥生に声をかけた。

「あけましておめでとう」

山田祥生の視線が、二人の手にほんの一瞬だけ留まった。実のところ、彼はすべてを見ていたが、あえて口には出さなかった。凜太郎が夏美に好意を寄せていることはずっと前から知っていたが、以前の夏美はそれに応えることなく、四人の幼馴染に対して等しく接していたはずだ。しかし今見ると、どうやら二人の関係は一歩前進したらしい。なぜだろうか、祥生の胸の奥にふと、言い...

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