第29章 報酬

山田祥生:「もうすぐサークルの新歓だろ。夏美、俺が特別推薦してやるって言ってるのに、本当にいらないのか?」

山口拓海は山口夏美の皿に肉を一枚取ってやった。「これ食えよ、美味いぞ。そうだよ、俺たちのスヌーカーサークルはQ大学一の大所帯で、競争はいつも激しいんだ。今年は数百人くらい応募してきてるんだっけ?」

山田祥生は笑って頷いた。

竹中蓮もこちらを見た。「祥生が初めてコネを使おうとしてるんだぞ。このチャンスを大事にしなくていいのか?」

山口夏美は首を振り、顔にはあっさりとした笑みを浮かべた。「ううん、大丈夫。みんなの気持ちだけ受け取っておくね」

岡本凜太郎:「ずいぶん自信が...

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