第323章 交換

「ありがとう、君の格好もなかなか個性的だな」岡本凜太郎は上下に視線を走らせた。「食事に行くというより、まるで泥棒にでも行くみたいだ」

「そんなことないわよ!」山口夏美は彼を軽く睨みつけ、頭のキャップを脱いで、羽織っていたグレーのアウターを脱ぎ捨てた。シンプルなカジュアルウェアに身を包んでおり、透き通るような白い肌には自然な赤みが差している。岡本凜太郎から見れば、今の彼女は学生時代とさほど変わらないように思えた。イベントに出席する時こそ入念に着飾り、複雑なメイクや奇抜なスタイリングに挑戦するが、日常生活では相変わらずラフなスタイルを好んでいる。

 隠れ家的なそのレストランは路地裏にひっそり...

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