第324章 監督争奪

テーブルに半分残った料理を見て、山口夏美はため息をついた。

「食事をご馳走するだけじゃ、借りは返せそうにないわね。また今度にしましょう。あなたが望むことなら、何でも聞いてあげる」

審査がスムーズに通れば、岡本凜太郎の力を借りる必要はないかもしれない。人情の借りというものは、一番返すのが厄介なのだ。

「ああ」

岡本凜太郎は立ち上がり、山口夏美のコートを手に取って彼女に差し出した。

「送っていく」

菊江の運転はとても滑らかだった。お腹がいっぱいになって眠気を催した山口夏美は、こっくりこっくりと船を漕ぎ始めた。岡本凜太郎はそんな彼女を見て微かに口角を上げると、そっと手を伸ばして彼女の頭...

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