第337章 スキャンダルによる話題作り

「優秀な監督や俳優の方々となら、どなたとでもご一緒したいです」

前田謙信は視線を素早く手元に戻し、口にしたのはただの社交辞令だった。

しかし、カメラは客席で一秒だけ留まった。先ほど前田の視線が外れるのがあまりに早かったため、スイッチャーが抜いた映像は一つの空席を捉えていた。前田が空席を見るはずがないと考えたカメラマンが、咄嗟にその周囲をなめるように映し出すと、レンズは中島結子の顔にピントを合わせた。

前田謙信の受賞のニュースは、瞬く間にトレンド入りを果たした。彼の受賞スピーチを切り抜いた動画の再生回数もあっという間に百万回を突破し、一千万回に向けて伸び続けている。前田が共演したい相手に...

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