第339章 宝石を借りる

五明温樹は高級ジュエリーのリースに奔走したが、複数のブランドから立て続けに拒絶されていた。山口夏美は今をときめく人気女優であり、Elieのアンバサダーを務めているとはいえ、業界内での格はまだ低かった。オートクチュールのドレスなら数十万から数百万で済むが、ハイジュエリーとなれば数百万から始まり、億単位にのぼることも珍しくない。ジュエラーの審査はスターに対してより一層厳しく、五明温樹個人の名義で借りることは困難を極めた。そこで彼は、会社の名義を借りることを思いついたのだ。この日、彼は副社長である小山正美を酒の席に誘い出した。

「小山社長、うちの山口夏美は今飛ぶ鳥を落とす勢いでして、月末には金鷹...

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