第34章 申し込み

数日後、サークルの申し込みが始まった。

Q大学のサークルは儀式感を重んじており、オンラインで申請できるにもかかわらず、手書きの申込書を提出させられた。その方が誠意が伝わる、というのが理由らしい。

山田祥生は個人的に、山口夏美は提出しなくてもいい、後で名前を名簿に加えておくからと伝えたが、山口夏美はそれを断った。

彼女はサークルの申請書を受け取ると、真剣に記入した。前の人生では参加しなかったから、これも面白い経験になるだろう。せっかくだから、きちんと体験しておきたい。

北村由紀が山口夏美の机の上にある用紙をちらりと見て、嬉しそうに声を上げた。「山口夏美、あなたもスヌーカーサーク...

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