第36章 予選の強敵

スヌーカーサークル入会審査、予選。

一次審査で半数にまで絞られたとはいえ、予選に参加する新入生は依然百人を超えており、室内コートは満員だった。

選抜の時間を節約するため、試合は三局二勝制、一局の制限時間は十分間とされた。

まずは番号札を受け取り、その後くじ引きで対戦相手を決める。

北村由紀は番号札を受け取ると、山口夏美に尋ねた。

「私、五十六番だったけど、あなたは?」

山口夏美は彼女に数字を見せる。十七番だ。

北村由紀は頷いた。

「すごい人だね。お互い、弱い相手に当たるといいな。ほら見て、あの背の高い坊主頭の人。確か中村悠一って名前で、試合で見たことある。男子の部...

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