第42章 招待

中島結子は呆然と、エレベーターが昇っていく階数表示を見つめていた。

彼女が住んでいるのは最上階の一つ下。芳華苑のマンションは、階数が高ければ高いほど値段も跳ね上がる。

せめて山口夏美が自分より低い階に住んでいれば、まだ一つ勝てると、彼女はただそれだけを願っていた。

しかし無情にも、エレベーターは最上階の二十一階で停止した。

木下七海が驚きの声を上げる。「嘘でしょ、あのクズの山口夏美が最上階に住んでるなんて! 芳華苑の最上階はQ市のステータスの象徴で、外部には絶対貸し出さないし、オーナーの身元も秘密にされてるって話なのに!」

中島結子の顔が険しくなる。

中山琴子は彼女の...

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