第44章 カスタムクラブ

時はあっという間に過ぎ、スヌーカーの準決勝が始まった。

中島結子はまたしても責任者を買収し、山口夏美に最強の相手を当てがおうとしたが、今回は細川博に断られた。

冗談ではない。前回のスヌーカー会場でのあの光景を見れば、部長と山口夏美に繋がりがあることなど誰の目にも明らかだ。彼とて、このままスヌーカーサークルでうまくやっていきたいのだ。わざわざ山口夏美を敵に回す理由などない。

細川博は高級なチョークパウダーの箱まで用意し、わざわざ山口夏美の前に差し出して媚びへつらった。「後輩、これは輸入品のチョークパウダーだ。俺たちが標準で使ってるやつよりずっといい。試してみてくれ」

山...

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