第63章 お手洗いの水かけ

中島結子がみんな山口夏美のことばかり気にかけているのを見て、怒りのあまり自分の手を強く握りしめた。先ほど中村姉妹がやって来たのを見かけ、あのクズをきっちり躾けてくれるものと期待していたのに、平手打ち一つせず、二言三言交わしただけで帰ってしまうとは、実にがっかりだ!

しかし、それにしてもおかしい。なぜ山口夏美というクズは、一日中殴られても平気なのだろうか?

中島結子は眉をひそめてしばらく考え込んでいたが、突然くるりと向きを変え、更衣室へと駆け出した。

山口夏美のロッカーには鍵がかかっていた。だが、こんな小さな鍵はこじ開けるのが容易い。中島結子はそこらにあった棒を適当に見つけ、ロッカ...

ログインして続きを読む