第66章 入場の騒ぎ

試合に勝ち、家に帰ると、家族全員で彼女の勝利を祝ってくれた。夜の帳が下りる頃、山口家は庭の芝生で花火を始めた。白髪交じりの山口誠司も花火の輪に加わり、青い火花が絶え間なく噴き出す。彼の声は低く、喜びに満ちていた。「これは新品種の花火か? 道理で今の若者たちがこういうのを好むわけだ、確かに目新しい」

山口美崎は口元を覆って笑い、彼の肩についた火の粉をそっと払った。「いい歳をして、まるで子供みたいにはしゃいで。夏美のお祝いだと言ってるのに、どうしてあなたたち父子がいちばん夢中になってるの?」

山口豪は大声で笑った。「俺たち父子は夏美の騎士だからな。花火でレッドカーペットを作って歓迎してるんだ...

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